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パンダ探偵社

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 本日購入した漫画は、澤江ポンプ先生の『パンダ探偵社』です。トーチwebにて2018年1月から配信されています。

 買った理由は単純に新刊コーナーに置いてあったからです。買うまでこの漫画のことは存じませんでした。

 

~あらすじ~

 最終的には人格が失われ、全く別の生物へと変容してしまう通称変身病の存在する世界で、主人公の半田はその病気によりパンダへと少しずつ変容していくことが判明します。変身病が発覚して教職をクビになった半田は先輩である竹林に誘われ探偵の助手をすることに。探偵の助手として様々な変身病患者と出会っていく中で自分が完全に別のものになる恐怖や、それでもなお自分の生き方を貫く姿勢を目の当たりにし意識を変えていく。

 

~魅力~

 感情で動きがちな冴えない助手である半田と、一見冷徹にも見えるほど割り切って物事を考えている探偵竹林。お互い素直に相手を心配したりはしません。しかしいわゆるバディ物とは得てして最初はそういうものです。

 読み進めていく中で竹林の中にある情のようなものや、半田にも明かしていなかった過去、そしてもっと大きな秘密が判明し、半田が依頼人との交流を通じて少しずつ竹林のことを理解していくという構成になっています。

 半田と竹林の関係性はこの漫画の根幹となるテーマですが、それを彩るのは様々な依頼と、半田同様変身病の患者となった人達です。依頼をこなしていくなかで半田は完全に人ではなくなってしまった患者を目の当たりにします。その光景は半田にどんな変化をもたらすのか、人でなくなることは果たして絶望なのか。また、残された人は何を想うのか。この一冊で様々な心情に触れることが出来ます。

 1巻では、鳥になっていく少女とその家族の物語。ヘビになった夫とその世話をする妻の物語。イルカになっていく水泳選手と彼を妬んだ幼馴染の物語。鹿となり他人に危害を加えるようになってしまった老人の物語。植物になっていきながらも母親の期待を背負い舞台に立つピアニストの物語。この5つが収録されています。

 そのどれもが人とは何か、人じゃなくなるとは何か、自分は何がしたいのか、自分は何をすべきなのかといったテーマに沿って描かれており、読者を思考の海へと誘うでしょう。

 

~総評~

 私はバディ物が大好きなので大好物でした。少しずつ関係性が変化していきお互いの心の距離が近づいていく、というよりも半田が竹林の心に近づいていく感覚がとても尊い。1巻のラストで大きな秘密が明かされたため、次巻が気になります。早く読みたい。2巻は今年の秋ごろ発売予定とのこと。

 半田はどう生きていき、どういった最期を望むのか。

 竹林は本心で何を考えているのか。何を望んでいるのか。

 また、絵のタッチがふわりとしていながらも力強く時には神秘的にすら思える場面があります。読んでいて疲れません。ただ、1か所だけ注意点があります。1ページだけゴキブリが出てくるので極端に虫が苦手な人はご注意ください。