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映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

 久々の更新となりました。

 コロナの影響と言っても違和感がない期間更新が滞っていたようで我ながら驚愕。

 

 さて、今回は映画クレヨンしんちゃんの感想となります。

 ネタバレもあります。注意。

 

 クレヨンしんちゃんの映画を観に行ったのは久々……いや、初めてかもしれません。

 そんな私が今年観に行った最大の理由は京極尚彦監督の名前に釣られたという点が大きいですね。私はプリズムの煌めきに脳を焼かれた人間なので

 

 「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」の感想はただ一言、ここ数年で一番面白かった。

 

 VR空間に絵を描くマサオくんのシーンから始まったり、しんのすけがYoutuberの話をしていたり、授業がタブレットだったりかなり現代的になっていて驚きました。情報収集のためにSNSを活用していたりね。

 

 敵サイドにも味方サイドにも映画オリジナルキャラが多いのに、邪魔なキャラが居ないのがとても良かったです。

 今までだったら敵サイドとして出てきたキャラクターはしんのすけ達との戦闘が描かれ、消化されていきます。

 でも今回は最初から最後まで王宮にいるだけで一切しんのすけ達と関わらない敵サイドのキャラクターが数人いるなど、存在しているけれど関わって来ない感が世界観を上手く広げていました。

 

 そんな面白かった今作なのですが、今回は私が特に良かったと思う3点についてお話ししましょう。

 

・姫が可愛い

・真ヒロイン・ニセななこ

しんのすけの心情

 

 

 まずは姫の可愛さから。

 姫とは今回の敵が守ろうとしている国《ラクガキングダム》の姫です。

 捕らわれそうになっても国の未来のため1人で走り出すアクティブさ。

 大人のおっさん1人をぶん投げるパワフルさ。

 

 冒頭部分から中盤の間は捕らわれているので中々登場しませんが、中盤以降もう1人の映画オリジナルキャラユウマ君と一緒に、しんのすけを探すため地上に降りてくるので出番が増えます。

 

 この姫がとにかくかわいい。

 表情がかわいい。

 ムッとしていても、笑っていても、かわいい。

 

 動きもかわいい。

 特に終盤歌いながら塀にラクガキをするシーンの姫は動きも表情もかわいいが過ぎる。

 

 

 

 今回1番可愛かった姫、そんな姫を差し置いて今作のヒロインとして存在しているのがしんのすけが描いたななこおねいさんの絵が実体化した、ニセななこです。

 

 ニセななこは「しんちゃん、すきよ」しか喋りませんし、本物のななことは似ても似つかぬ顔をしています。そんなニセななこがどうしてヒロインかというと、

 

 めちゃくちゃやさしい

 めちゃくちゃかっこいい

 めちゃくちゃかわいい

 

 に尽きます。

 

 始めは、描いたしんのすけもこんなのななこおねいさんではないと逃げまどいますが、身体を張ってしんのすけを助けたり、先に段差を登ってしんのすけ達を引っ張ったり、ニセななこが居なければ超えられなかった壁が沢山ありました。

 

 表情もほとんど変わりませんが、しんのすけに木の実を貰った際には笑顔を見せます。

 

 そんなニセななこの最大の見せ場はやはり最期のシーンでしょう。

 しんのすけが描いて、実体化した仲間たちはもともと絵なので水に塗れると溶けて消えてしまいます。この設定があるだけでもう色々予想してしまうでしょう。

 

 物語終盤、最終決戦の最中に雨が降り始めます。

 屋上に駆けだしていくしんのすけ、追いかけようとするも雨に濡れれば消えてしまうため屋根のある場所から進めないニセななこ。

 

 そんな中、敵の罠によって窮地に陥るしんのすけ

 その姿を見たニセななこは考えるよりも先に走りだしていた。

 

 ここの、ニセななこが走り出すシーンも予想出来るんですよ。絶対助けに行くんだろうなって。

 なんなら予告映像で見たなこのシーンって。

 

 予想通りの展開なのにこんなに感動できるのかって感じですよここに関しては。

 溶けながらも、溶けた自分の身体を投げてしんのすけを助けるシーンは本当にクレしん映画史に残る名シーン。

 

 

 そして、しんのすけの心情。

 

 前述のとおりしんのすけの目の前でニセななこは消えてしまいました。

 助けてくれたお礼も伝えられないまま。

 

 その後、しんのすけは涙一つ流さずに戦いを続けます。

 

 先ほどまで「助けてくれてありがとう!」「小さいのに偉いぞ!」としんのすけを称賛していた大人たちが「お前がクレヨンを落としたせいで!」「ユウマが勝手に母親を助けたせいで!」と罵詈雑言を飛ばし始めても、しんのすけに変化はありません。

 

 このシーンで大人たちに罵詈雑言を浴びせられたユウマに対して

「オラも母ちゃん助けた。ユウマくんもお母さん見つかってよかったね」

 って言えるしんのすけがかっこいいんですよほんと。

 

 その後、しんのすけは雨に濡れて消えかけているぶりぶりざえもんと再会します。(ぶりぶりざえもんは別行動してた)

 

「ぶりぶりざえもんも消えちゃうの?」

 と呟くしんのすけに対し、

「ん? 他に誰かいなくなったのか?」

 と聞き返すぶりぶりざえもん。

 

 その問いに対して

「……いや、なんでもない」

 って返す5歳児本当にかっこよくないですか?

 

 ぶりぶりざえもんには他の仲間が消えたことを知らせない気遣いに見てるこっちが泣きそうですよ。

 そしてぶりぶりざえもんが消えたあと、天を仰いでぐっと涙をこらえるしんのすけ

 見てるこっちはもう泣いてますよ。

 

 ぶりぶりざえもんの消滅により、泣くよりも考えるよりも先に走り出したしんのすけは歌いながら町全体を使って巨大なぶりぶりざえもんを描き出します。

 残った仲間はしんのすけが1番最初に描いたブリーフだけ。

 

 そんなブリーフとの別れももう間近。

 

 しんのすけの行動が敵も味方もまとめて動かし、ついに奇跡が起こりかけたその時、巨大なぶりぶりざえもんを描いていた線が途切れてしまいます。

 ブリーフは「私を伸ばして線にしてください」と告げます。

 

 ブリーフに対してしんのすけはここでようやく

 

「オラはもう、誰ともお別れしたくないゾ!」

 

 と本心をさらけ出します。

 

 ニセななこが消えて、大人たちに罵詈雑言を浴びせられて、ぶりぶりざえもんが消えて。

 それでもしんのすけはいつも通りだった。

 いつも通りで居続けた。

 

 最後の最後でしんのすけの本心がわかることで、今までのしんのすけがどれだけ他人に心配させないように動いていたかがわかります。

 唯一しんのすけが零した本心を聞いていた相手が最初に仲間になったブリーフというのもいいですね。

 その後、ブリーフとの別れも乗り越えて日常に戻るわけです。

 

 もう1度観たい。

 そのくらい面白い作品でした。

 

 何が良いって退屈なシーンが無かった。

 

 大人たちが絵にされる。

 しんのすけが助けにいく。

 大人たちがしんのすけに感謝する。

 仲間との別れ。

 町がピンチになる。

 さっきまで感謝していた大人たちに罵詈雑言を飛ばされる。

 再び仲間との別れ。

 大人たちが味方になる。

 最後にまた仲間との別れ。

 事件解決。

 

 盛り上がるシーン、下がるシーンの波が激しいんですよね。今回。

 だから見ていて退屈がない。

 

 他にも色々と語りたいことはあるのですが、流石に長くなるので無理。

 ぶりぶりざえもんやユウマ君、カスカベ防衛隊や紅さそり隊の話もしたかった。 

 

 なにより姫がかわいい。

 

 絶賛上映中ですので皆さんも是非。